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エミリー・ブラント主演、映画『ボーダーライン』のあらすじ・感想など

映画

私的評価

映画『ボーダーライン』を観ました。
Amazonプライムビデオでの鑑賞です。

『ウインド・リバー』が良かったので、その「フロンティア3部作」の1品と言われるこの作品も観てみました。

その善悪に境界(ボーダー)はあるのか
この映画の根底にあるのが、「善悪の境界ってなに?」ってことなんです。それにしてもメキシコの麻薬カルテルはヤバ過ぎます。実際のところ、この映画で描かれているような状態、もしくはそれ以上の酷さなんでしょう。アメリカが国境に高い壁を作りたくなるのも分かります。つくづく海に囲まれた日本に生まれて良かった、と感じるこの作品でした。

後味は悪くなく、お薦めです。

★★★★☆

作品概要

監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
脚本はテイラー・シェリダン。
製作はベイジル・イヴァニクほか。
出演はエミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンほか。

2015年のアメリカ合衆国で公開されたアクションサスペンス映画である。

作品の紹介・あらすじ

解説
アメリカとメキシコの国境で巻き起こる麻薬戦争の闇を、『灼熱の魂』『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が衝撃的かつリアルに描いたアクション。メキシコ麻薬カルテルを撲滅すべく召集された女性FBI捜査官が、暴力や死と日常が隣り合わせの現実を目の当たりにする姿を映す。主演は、『イントゥ・ザ・ウッズ』などのエミリー・ブラント。ほかにベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンらが出演。ヴィルヌーヴ監督による臨場感たっぷりの演出と、名優たちの緊迫した演技に注目。

あらすじ
優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)のもとで極秘任務に就く。ケイトは早速、謎めいたコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。人が次々と亡くなる現実を突きつけられたケイトは……。

シネマトゥデイ

感想・その他

脚本家として『ウインド・リバー』,『最後の追跡』,そしてこの『ボーダーライン』は「フロンティア3部作」と言われ、どれも現代アメリカの闇を描いています。

この映画の原題は「Sicario」、暗殺者という意味なんですが、最後まで観ればこの題名も頷けます。しかし、この「ボーダーライン」という邦題はなかなか的を得た題名だと感じました。

主演はエミリー・ブラントという女優さんで、私が思い出せるのが『オール・ユー・ニード・イズ・キル』です。とは言え、あまり記憶には残っていません。配偶者はここでも紹介したAmazonプライムのオリジナルドラマである『ジャック・ライアン』の主演・製作総指揮のジョン・クラシンスキーです。

この映画ではもう一人の主人公がいます。それがベニチオ・デル・トロという俳優です。若き頃にロバート・デ・ニーロの『ザ・ファン』に出演していて、つい最近もテレビで放映されていて観ていましたが、まったく気付きませんでした。しかし、この映画では裏の主役として、かなりの存在感でした。そう、原題の「Sicario(暗殺者)」とはこの人のことなんです。

さて、映画で印象に残った場面は、最後の最後です。なぜ、CIAの作戦にFBIが必要なのか。それはCIAの国内活動にはFBIの立ち合いが必要だから。CIAの違法作戦を目の当たりにして、FBIとして悩むケイト(エミリー・ブラント)。そこにCIAの作戦と自分の復讐を完遂したアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)が現れ、この作戦は正当だったと銃で脅してサインをさせます。ケイトは、立ち去るアレハンドロに銃を向けますが、結局そのまま行けせてしまいます。対峙したケイトとアレハンドロには、「生きる世界が違う」という境界(ボーダーライン)が確かにありました。

ラストシーンは、映画中何回か出てきた父親とその子供。その父親は汚職警官で、すでにアレハンドロより殺されており、帰らない父親のベッドを見つめ、サッカー場へ母親と出掛けます。プレー中、突然鳴り響く銃声に、一瞬プレーを中断する子供たちと見学する親たち。それは一瞬のことで、何事もなかったようにまたすぐプレーを再開します。この場面を観て、こういうところでも慣れれば暮らせれるんだなってこと。このラストシーンが一番心に残りました。

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