熊野古道「中辺路・雲取越え」を歩く
熊野古道「中辺路」の派生ルートであるいわゆる「雲取越え」(熊野本宮大社から那智大社まで)を歩いた記録です。
今回は小口から那智大社までの大雲取越え(後編)です。
http://www.hongu.jp/kumanokodo/
http://www2.tb-kumano.jp/kodowalk/pdf/oogumo.pdf
苦しい登りが緩やかになるとそこが越前峠。
このあたりの小中学生は卒業記念なんかで歩くみたいです。
越前峠
標高870m、中辺路の中でも最高所となる。ここにも茶屋があったようだが、屋敷跡ははっきりわからない。
越前峠と小口集落間は、延々と急坂で結ばれる。小口は標高65mであり、一気に800mの高低差を下る(上る)ことになる。特に、楠ノ久保集落跡までは、急坂に石畳が点在する「胴切坂」という、大雲取・小雲取越における最大の難所である。
最大の難所を突破して一息つく。
越前峠は、看板に870mと書いてありました。
ProTrekでは867m、etrex20では845mでした。
石倉峠へ、さらに地蔵茶屋跡へと進みます。
基本、下り坂となって心拍的には楽になりました。
「小口自然の家」でお願いした弁当。めはり寿司も入っていました。
これを食べてから、めはり寿司の虜になりました。
エネルギー充填完了。
ここから少し舗装された道を歩くことになります。歩き易いが、若干登っていて脚と心臓に堪えました。「色川辻」というところで舗装路とオサラバになりますが、ここでこの日最初で最後の歩行者と出会いました。年の頃は同年代。彼も初めて人と出会ったとおっしゃてました。
途中、海が見える場所があり、キラキラ輝いた海がキレイでした。
この辺が「亡者の出会い」。
色川辻からの谷間の道の通称。
この坂を歩くと、物故した縁者や知人が白装束姿で現れるのを目撃するとの言い伝えがある。また、ダル(ヒダル神)やガキ(餓鬼)と呼ばれる亡霊にとりつかれ、異常な空腹感に襲われて死に至るとの伝承を南方熊楠が記録している。ダルやガキに憑かれた際には、わずかでもよいから食物を口に含めば、亡霊をしりぞけられるという。
色川辻からは最後の登り、そしてとうとう舟見峠に到着。
舟見峠から南にもう少し進むと舟見茶屋跡がありました。
茶屋跡の上に眺望の良い東屋が建っています。
那智湾・勝浦温泉が眺望できます。
ずっと休憩していたいほどの景色。
しかし、帰りの電車のこともあり、時間を気にしながら先を急ぐことにしました。
心拍的には楽ですが、脚に力が入らなくなり、ローカットの靴の影響もあり足首を挫きそうになりました。登立茶屋跡を過ぎるとそれが顕著になってきました。
長い下りを歩き通し、やっと那智大社へ降りてきました。
時間は15時ちょっと前。
バスの時間を気にしながら、さっさと参拝を済ます。
帰りの特急、南紀8号は17時10分、紀伊勝浦を発車します。15時45分発の紀伊勝浦行きのバスになんとか間に合いました。
一旦、那智駅で下車して駅前の温泉「丹敷の湯」に入ります。着替えができ、さっぱりしました。なかなかいい温泉でした。
40分後、16時42分那智駅発のバスに乗り紀伊勝浦駅へ。
駅前のお土産屋で、家にお土産を買いました。
発車10分前に紀伊勝浦駅に着き、列車に乗り込みます。帰りは指定席。乗車率95%というとこでしょうか。
列車の中では、ビール2本とめはり寿司を購入。
虜になっためはり寿司とビールで、気持ち良く眠れました。
歩行時間は7時間(古道のみ)。
この日出会ったのは、たった1人だけでした。
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