原田マハ著『楽園のカンヴァス』を読んだ感想

私的評価

原田 マハ/著『楽園のカンヴァス』を、友人から借りて読みました。
借りた数十冊の文庫本。その中でも、読まないだろうなと思っていたのがこの『楽園のカンヴァス』でした。しかし、手持ちの未読本が無くなり、仕方なく読んでみたのです。

知らない著者に、興味をそそられない題名…。しかし、これが見事に私を裏切りました。絵画のことに詳しくなくても、ミステリー小説として存分に楽しめます。早く続きが読みたい、時間が許すなら一気読みしたい。そんな思いにさせてくれるワクワク感いっぱいの内容です。

★★★★☆

『楽園のカンヴァス』とは

内容
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。
そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。
リミットは7日間。
ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。
山本周五郎賞受賞作。

著者紹介
原田マハ[ハマダ マハ]
1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後2005(平成17)年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『風神雷神』などがある。

新潮文庫(楽園のカンヴァス)

感想・その他

引用部分に書かれている「古書」の各章の最後に書かれてあったアルファベットの一文字。このアルファベットの文字に秘密が隠されているような設定でしたが、そうでもないような…。そしてどうして、この古書を書いたヤドヴィガ(「夢」のモデル)がこんな謎めいたアルファベットの文字を残すのか…。また、織絵の娘の意味ありげな人物設定は、この後の物語に深い意味を持つかのようでしたが、そうでもないような…。モヤモヤと残念なところはそんなところです。

最後に、ティムと織絵の17年越しのロマンスはどうなるのか。続編の続きがあってもいいかな。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)にあるというルソー最後の作品「夢」。2m×3mの大作のようで、神秘的な迫力があるんでしょうね。日本でルソー展が開催され「夢」がやって来るようなことがあれば、是非行って観てみたいです。


楽園のカンヴァス (新潮文庫)

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