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ねじめ正一著『むーさんの自転車』を読んだ感想

小説

私的評価

ねじめ正一著『むーさんの自転車』を読みました。
図書館で借りました。

前半の主人公(中学生)は、家の事情でかなり追い込まれるという状態ですが、頼りになる男「むーさん」との交流で主人公は救われます。「むーさん」ならなんでも解決してくれる、そう思わせる魅力的な人間として描かれていますが、それを象徴しているのが「むーさんの自転車」です。昭和の中頃の頑丈な自転車(下記、「感想・その他」を参照)が、「むーさん」の質実剛健さを表現しているのではないでしょうか。

この小説では、小林一茶の俳句が重要な役割を持っているのでしょう。しかし、私には(一茶の)俳句がなにを言っているのかさっぱり分からなく、私の感受性の欠如さを改めて思い知るばかりです。一茶の俳句と主人公の思いがどのように結びついたのか、そんなところが感じ取れればもっと楽しめた小説だったかもしれません。

★★★★☆

『むーさんの自転車』とは

出版社は中央公論新社、発売日は2017年8月。
神戸新聞の連載小説「むーさんの背中」のタイトルを変えて出版されました。

出版社内容情報
高円寺で育った正雄。実家が倒産し、米屋のむーさんと移り住んだ長野で、和菓子職人として歩み出すが…。平成版・高円寺純情商店街!主人公は高円寺の商店街で生まれ育った松野正雄、タイトルになっている米屋のむーさんは人望厚く、高円寺阿波踊りの中心で、街の顔役。二人の絆を描く人情物語で、著者の直木賞受賞作「高円寺純情商店街」のイメージを引き継いだ、「平成版・高円寺純情商店街」。また、正雄と二人で移り住む、むーさんの故郷・長野が第二の舞台で、出身の小林一茶の俳句が重要なモチーフともなっており、長野の「ご当地小説」でもある。

内容説明
長野と高円寺。二つの街で少年・正雄が大きく成長していく“平成版純情商店街”

著者紹介
ねじめ正一[ネジメ ショウイチ]

1948年東京都生まれ。青山学院大学経済学部中退。父は俳人のねじめ正也。阿佐谷パール商店街で「ねじめ民芸店」を営む。81年、詩集『ふ』で第31回H氏賞を、89年、小説『高円寺純情商店街』で第101回直木賞を、2008年、小説『荒地の恋』で第3回中央公論文芸賞を、09年、小説『商人』で第3回舟橋聖一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

紀伊國屋書店

感想・その他


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この本で出てくる「むーさんの自転車」はこんな自転車だと思われます。大きなスタンドに鉄のブレーキレバー、そしてゴツくて大きなリアキャリアが特徴です。また、フロントフェンダーには「風切り」なる金属製のエンブレムが堂々と取り付けてありました(高級外車のボンネット中央先端にあるあれと同じものです)。

私が子供の頃はまだ鉄ブレーキばかりで、今のようなワイヤーを使うブレーキは記憶にありません。この金属棒を使ったブレーキを「ロッドブレーキ」と言うそうです。ロッドブレーキの仕組みは、ブレーキレバーを引くと、金属棒(ロッド)でつながったブレーキアーチがてこの原理で上に動き、ブレーキシューがリムに押し付けることで制動します。今のリムブレーキは、シューがリムの側面を押し付けますが、ロッドブレーキはリムの下面を押し付けます。当時、ブレーキの方式としては一般的なもので、メンテナンスフリーな割に丈夫で、実用車のブレーキとして普及しました。しかし、自転車が重くなるのと組み立てが煩雑な点がマイナスとなり、ワイヤー式に淘汰されました。

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