浅田次郎著『おもかげ』を読んだ感想

小説

私的評価

浅田次郎著『おもかげ』を読みました。
図書館で借りました。

「涙なくして読めない至高の最終章」、そんな文字が躍る本書でしたが、途中何度か目頭が熱くなることがありましたが、クライマックスでは涙なしで読めてしまいました。浅田次郎ファンではありますが、この『おもかげ』にはいつもの様な感動が私にはありませんでした。

★★★☆☆

『おもかげ』とは

内容説明
時代を超えて胸を打つ不朽の名作『地下鉄(メトロ)に乗って』から25年――
浅田次郎の新たな代表作。

涙なくして読めない最終章。
人生という奇跡を描く著者の新たな代表作。

孤独の中で育ち、温かな家庭を築き、定年の日の帰りに地下鉄で倒れた男。
切なすぎる愛と奇跡の物語。

エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へとさまよい出し、忘れていたさまざまな記憶が呼び起こされる。孤独な幼少期、幼くして亡くした息子、そして……。涙なくして読めない至高の最終章。著者会心の傑作。
講談社BOOK倶楽部

著者等紹介
浅田次郎[アサダ ジロウ]
1951年東京生まれ。『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞、『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』で司馬遼太郎賞と中央公論文芸賞、『中原の虹』で吉川英治文学賞、『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞。2015年紫綬褒章を受賞。『蒼穹の昴』『シェエラザード』『わが心のジェニファー』『獅子吼』など著書多数。
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感想・その他

定年の送別会の帰り途に地下鉄の車内で倒れ、昏睡状態となった65歳の男性が主人公の物語です。その主人公が幽体離脱のごとくいろいろな体験をします。その体験を通して、主人公は「忘れなければ生きていけない」という過去の自分の心内を開放し、記憶を思い出していきます。

そんな物語だと私は思うのですが、実際主人公は赤ちゃんの時に捨てられた訳で、母親が誰だったかという記憶はない訳で、物語の最後の部分は納得がいきません。それよりも幼くして亡くした子供のことをもっと厚く丁寧に描写した方が良かったのではないでしょうか。

また、最後の終わり方もモヤモヤ感でいっぱいです。私の考えで言えば「奇跡的に意識を取り戻した」となるのですが、やはりそこまで書いてもらいたかったです。そこからが「涙なくして読めない至高の最終章」だったなら、そのように感じました。


おもかげ (講談社文庫)

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