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梅村達著『派遣添乗員ヘトヘト日記』を読んだ感想

ノンフィクション

私的評価

梅村達著『派遣添乗員ヘトヘト日記―当年66歳、本日も“日雇い派遣”で旅に出ます』を読みました。以前読んだ『メーター検針員テゲテゲ日記-1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました』が面白かったので、そのシリーズ本であるこの本のこと図書館で予約し、読んでみました。

このシリーズ本は人気になっていて、図書館で予約しても数か月待ちの状態です。この本も数か月待ってようやく読むことができました。この本もサクッと読めて、とても興味深い内容で面白かったのですが、前に読んだ『メーター検針員テゲテゲ日記』に比べると、「笑いあり涙あり」という面白さはありませんでした。

★★★☆☆

『派遣添乗員ヘトヘト日記』とは

内容説明
はじめにより
私は50歳をすぎてからこの業界に飛びこんだ(飛びこまざるを得なかった)。以来15年以上にわたり、この業界で身過ぎ世過ぎしてきた。
本書には、おトクに旅行できる知恵も、観光地をディープに楽しむ方法も載っていない。本書に描かれるのはひたすら派遣添乗員の目の前にある日常の風景である。
派遣としての不安定な立場、添乗中のトラブル、ツアー参加者からのクレーム、旅行会社とのあつれき……そんな日常の中に、時折、喜びや希望も顔をのぞかす。
この仕事が大好きかと問われれば、即答はしかねる。それでも私はこの仕事を続けているし、身体が持つかぎりはこの先も続けていくだろうと思う。それが私の生活であり、人生だからである。

(目次)
まえがき 曖昧模糊とした添乗員の世界
第1章 派遣添乗員、本日も苦情あり
某月某日 体調不良:腹痛での綱渡りツアー
某月某日 忍耐:二度と会いたくない「先生」
某月某日 カメレオン:寝返り添乗員の苦笑い
某月某日 注文ミス:添乗員のメイン業務はクレーム対応
某月某日 クレーム:「平謝り」という大切なお仕事
某月某日 毛虫社員の末路:派遣添乗員と旅行会社のカンケイ
某月某日 回収不能のアンケート:トルコ人ガイドの大失態
某月某日 パーフェクトゲーム:いかにして役者・芸者になるか
某月某日 添乗員の探偵物語:もっとも感動した修学旅行
某月某日 眠っていた才能:車内販売でもうひとりの自分に出会う
某月某日 コペルニクス的転回:なぜ派遣添乗員になったのか?
第2章 ハズレの仕事、ときどきアタリの仕事
某月某日 難民キャンプ:パニックと化した「浜焼き食べ放題ツアー」
某月某日 オロオロ:クレームを回避するためのテクニック
某月某日 人間音痴:妻孝行のつもりが、ヒモ生活に
某月某日 割れんばかりの拍手:アンケートで高評価を得る方法
某月某日 打たれ強い人:言いがかりにどう対応するか?
某月某日 吊るしあげ:中国シルクロードツアーで悪役となる
某月某日 〝アタリ〟チーフ添乗員:修学旅行反省会のあとで
某月某日 赤玉、青玉、白玉:乾いた街に咲いた一輪の冬の花
某月某日 大名旅行:添乗員冥利につきるツアー
第3章 添乗員を取り巻く奇妙な人びと
某月某日 人生のベテランたち:バイキングは戦場である
某月某日 私のバスはどこ?:添乗員が集合場所を連呼するワケ
某月某日 コーコツの旅人:なにやら臭う話
某月某日 ドライバーもつらいよ:バスドライバーたちの本音
某月某日 迷惑ドライバー:添乗員とドライバーのビミョーな関係
某月某日 プロ中のプロ:おばあさんガイドの大逆転劇
某月某日 涙の「ペッパー警部」:養護施設、日光江戸村1泊2日
某月某日 スキルアップ:添乗員業界で働くためのいくつかの条件
某月某日 出入り禁止:金髪の若者に教えられたこと
第4章 旅行業界残酷物語
某月某日 引っ越し:年金15万円弱の温泉ライフ
某月某日 あぶない一線:「疲れ果てる」を超えた旅行会社社員
某月某日 添乗員は見た!:旅行会社の企業風土
某月某日 宴会係の告発:宴会が大荒れする3つの職業とは?
某月某日 置き去りイスタンブール:とうとう現れなかった2人
某月某日 インドの悪夢:人生最高のカルチャーショック
某月某日 宿泊客のいない旅館:廊下にたたずんでいた妖婆
某月某日 天国と地獄:添乗員が泊まる部屋
某月某日 無料ツアー:旅行会社が儲かるカラクリ
某月某日 ツアーにんげん劇場:出会いが織り成す一期一会のドラマ
あとがき 火つきの悪いライター

著者等紹介
梅村 達[ウメムラ タツ]
1953年東京生まれ。大学卒業後、映画の制作現場を皮切りに、塾講師、ライター業などを経て、50歳のとき、派遣添乗員に。以来、いくつかの派遣会社を移りながら、現在も日々、国内外の旅行に付き添う現役添乗員である。本書がヒットしたら、「月1~2回、趣味みたいに添乗員の仕事をしていきたい」というのがささやかな夢。

フォレスト出版

感想・その他

旅行添乗員さんが派遣会社の社員だったとか、前に読んだ「メーター検針」が一件40円だとか。このシリーズ本は、自分とは無縁のまったく知らなかった仕事の内容がよく分かります。どんな仕事にも大変なことや辛いこと、その反対に、良かったことや楽しいことなどは必ずあります。はたから見ているだけでは、その仕事の実際のとこは分からないものです。

『メーター検針員テゲテゲ日記』の時も同じようなことを書きましたが、こんど添乗員さんのいる旅行があったら、最後には「おかげで楽しいひと時を過ごすことができました、ありがとう」と声を掛けたいと思いました。

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