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山本博文著『「関ケ原」の決算書』を読んだ感想

私的評価

初めて購入したKindle版書籍。「Kindleオーナー ライブラリー」や「Prime Reading」という無料書籍は使っていましたが、『「関ケ原」の決算書』が購入した初めての本となりました。

映画で観た『決算!忠臣蔵』が面白かったのが、この本を買ってみた理由です。決算(金額)的な話よりも、今まで持っていた「関ヶ原の合戦」という私の中のイメージとは、かなり変わった内容で興味深い内容でした。

★★★☆☆

『「関ケ原」の決算書』とは

内容説明
金がなければ戦はできぬ! だが天下分け目の大いくさで、東西両軍で動いた金は総額いくらになるのか? 『「忠臣蔵」の決算書』に続き、日本史上の大転換点をお金の面から深掘り、知っているようで知らない「関ヶ原の合戦」の新常識を提示する。そもそも米一石は現代なら何円? 徳川家康は本当に儲かったのか? なぜ敗軍に属した島津家がおとがめなしで生き延びたのか? 史上最も有名な戦の新たな姿が浮かび上がる。

目次
・はじめに
・序章
・第一章 「関ヶ原」に到るまで
・第二章 関ヶ原前夜
・第三章 関ヶ原合戦
・第四章 島津義弘の関ヶ原合戦
・第五章 九州の「関ヶ原」と島津家の命運
・終章 関ヶ原の決算

著者等紹介
山本博文[ヤマモト ヒロフミ]
(1957-2020)1957(昭和三十二)年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒、同大学院修了。東京大学史料編纂所教授。専門は近世政治史。新しい江戸時代像を示した『江戸お留守居役の日記』で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。『島津義弘の賭け』『「忠臣蔵」の決算書』など著書多数。

新潮社

感想・その他

決算的に言えば、豊臣の御料地、金山、銀山を掠め取った徳川の大儲けという「関ヶ原の戦い」となったようです。これで財政的な基盤を固めた徳川家は、天下を手中に収めていくわけです。

本の大半と言ってもよいほど、島津家のことが書かれています。どうして西軍に組みし、そして戦うことができなかったのか。そして、領地はなぜ安堵させたのか。このあたりの説は、なかなか面白く、また関心させられました。

この本を読んでいても、西軍が勝てたかもしれないたくさんの「if」が書かれていました。その中でも、やはり豊臣秀頼を担ぎ出せなかったのが、私が思う西軍敗因の一番の原因でしょう。西軍が勝っていれば、今の日本はどうなっていたんでしょうか。私自身の存在も無かったかもしれません。徳川嫌いの私は、そんなことを思いながら読んでいました。

最後に、先ごろ亡くなられた著者である山本先生のご冥福をお祈りいたします。

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