土井雪広著『敗北のない競技―僕の見たサイクルロードレース』を読んだ感想

ノンフィクション

私的感想

土井雪広著『敗北のない競技―僕の見たサイクルロードレース』を読みました。
図書館で借りました。

自転車競技のドーピングを扱った『シークレットレース』は読んでいますが、それでも薬は横行しているようです。しかし、それはもちろん合法な薬で、日本では手に入らない、魔法な薬がいろいろとあるようです。そんなダークな世界のことがよく分って、非常に興味深く面白かったです。

★★★★☆

『敗北のない競技―僕の見たサイクルロードレース』とは

「もっとも過酷なスポーツ」と言われるサイクルロードレース。日本人として初めてブエルタ・ア・エスパーニャを完走したプロ・ロードレーサー土井雪広による、渾身の自伝的スポーツノンフィクション。

長く欧州の最前線で走ってきた、現役プロ自転車選手土井雪広。
2013年シーズンから日本のチームに移籍するために帰国。
彼が経験してきた欧州サイクルロードレースの実態、ドーピング問題を含めたプロトンの真実など「彼が見てきたこと」を、自伝的要素を盛り込みつつ描く。
サイクルロードレースファンのみならず、スポーツ好き全般に贈る、「アスリートという生き物」を詳らかに記録した、スポーツノンフィクション。

著者等紹介
土井雪広[ドイ ユキヒロ]
1983年生まれ。自転車ロードレースのプロ選手。05年から欧州を主戦場として活躍。ツール・ド・フランスなど「グラン・ツール」と呼ばれる世界を代表するレースを完走した現役日本人選手は3名しかいないが、土井選手はそのひとりであり、長年にわたって世界トップレベルのレースを経験してきた。2013年より主戦場を日本に移して活躍。ランス・アームストロングを含め、世界を代表する選手たちとともにレースを走った経験があり、多くの現役トップレーサーとの交流もある。

東京書籍

感想・その他

本の最初は、幼い時から自転車に目覚め、競技にのめり込むまでが書かれています。この辺りは少し退屈で、「あれっ、この本大丈夫?」でしたが、プロ契約しヨーロッパへ行ったあたりから俄然面白くなります。そして、第6章では、ホロっときて、土井雪広という男が好きになります。

それにしても衝撃的なことが書いてあります。例えば、レース中のプロトンの中で行われているこんなこと。ゴール1時間前くらいでカメラが空撮に切り替わった時に、ぎりぎりドーピングでない薬をみんなが飲みだす…。ちょっと前に流行った薬を飲んでいると、「まだそんなのを飲んでいるのか」と笑われる…。また、レース期間中の夜は、体が痛く睡眠薬がないと眠れないとか…。

このようなことは、テレビのレースを観ていても、解説を聞いていても、実際は分からないことです。これからはそういうことも踏まえ、テレビ観戦するとより一層楽しめそうです。

最後に一番心に残った一行…
「プロトンの中は薬漬け(ジャンキー)だらけだ」


敗北のない競技:僕の見たサイクルロードレース

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