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池波正太郎著『賊将』を読んだ感想

小説

『賊将』とは

池波正太郎著の短編小説『賊将』を読みました。

幕末には〔人斬り半次郎〕と恐れられ、維新後はわが国最初の陸軍少将となり、最後は西郷隆盛をかついで西南戦争に散った快男児・桐野利秋を描いた表題作。10年に及ぶ戦乱に何らの力も発揮出来ない将軍・足利義政の苦悩を刻んだ直木賞候補作の中編「応仁の乱」。表と裏の顔を兼ね備えた人間という生き物のおかしみを捉えた「秘図」など6編。直木賞受賞直前の力作を集めた短編集。
新潮社

第1章 応仁の乱
第2章 刺客
第3章 黒雲峠
第4章 秘図
第5章 賊将
第6章 将軍

感想

六話からなる短編集ですが、興味深かったのは第1章の「応仁の乱」と第6章の「将軍」です。
まずは第1章の「応仁の乱」。
日本史好きではありますが、なぜか室町時代だけは頭からすっぽりと抜け落ちていると言いますか、私的にはよく分からない時代なんです。室町時代と言えば「応仁の乱」とか「南北朝」とか、そんな言葉しか浮かんできませんが、それにしたってそれが何だったのかはよく知らないんですね。
実際のところ、NHKの大河ドラマを調べても室町時代のドラマって少ないんです。
英雄的人物もおらず、ドラマにしづらいところがあり、ドラマが少ないからその当時の歴史が私の頭に入ってこない、そういうことかもしれません。
ちょうどこの「応仁の乱」の主人公である足利義政と日野富子を主役とした大河ドラマがありました。1994年の『花の乱』という題名のドラマです。機会があれば観てみたいものです。

それから第6章の「将軍」。
これは涙、涙で読みました。将軍とは、日露戦争時に旅順攻略の任にあった司令官・乃木希典の話です。
『坂の上の雲』や『殉死』では、司馬遼太郎が乃木将軍のことを愚将として描いたために、それが通説となったようです。実際のところ日露戦争後の当時は、この旅順攻略戦について世界が高く評価し認められていたようです。実際ロシアは、6年の歳月を掛け難攻不落の要塞を作り上げ、どんな軍隊が来ても攻略に3年は掛かると豪語していたようです。
人的被害を出したとは言え、それほどの旅順要塞を半年ほどで攻略してしまったのですから、愚将ではないのでは個人的は思います。
この本では、戦略的は凡庸だったかもと書いてあり、決して英雄視したものではありませんが、武士道を持ち合わせた男として描かれていました。

私的評価

読み応えがありました。
やはり池波正太郎は面白い。

★★★★☆

コメント

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