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浅田次郎著『かわいい自分には旅をさせろ』を読んだ感想

エッセイ

『かわいい自分には旅をさせろ』とは

浅田次郎著のエッセイ集『かわいい自分には旅をさせろ』を読みました。

三島自決に茫然とした雌伏の時代から、直木賞作家として世界を飛び回る雄飛の時代まで、「生きる作法」が満載の未刊行エッセイ集。
取材旅行やカジノの旅、『蒼穹の昴』以降関わりが深まった中国への旅など、旅の歓びに満ちた日々が綴られます。他にも三島をはじめ先達への哀感に満ちた随筆や、「父の不在」などの社会評論、日本ペンクラブ会長として3・11後に赴いたチェルノブイリ視察の報告など盛り沢山。街道旅での出会いを描いた短篇「かっぱぎ権左」も特別収録
文藝春秋

第1章 帰れずとも帰るべき町
第2章 パリからのラブ・レター
第3章 かっぱぎ権左
第4章 下戸の福音
第5章 回天の一日
第6章 男の不在
第7章 灰色のマトリョーシカ

感想

エッセイ集ですが、その中に短編小説「かっぱぎ権左」があります。
甲府勤番御組頭・永井権左衛門は、三河以来の譜代御家人として薩長に抵抗し上野の山に向かいたい。しかし、老いた母に病んだ妻、そして4人の子どもを思うとどうしても大義に殉ずることはできなかった。しかし、すぐに蓄えも無くなり、食うに困って甲州街道小仏峠で追剥をしようとしていた。そこに通りがかったのが、いかにも豊かな感じの商人風情の旅人・・・。

これが実に泣かせてくれます。
これぞ浅田次郎!とも言える作品でした。
強いて言えば、『壬生義士伝』のミニ版とでも言いましょうか。
会社での昼休み、人目も憚らず涙と鼻水でボロボロになりました。
この「かっぱぎ権左」だけ読めただけで、この本を読んだ甲斐がありました。

私的評価

私は浅田さんのエッセイはあまり好きではありません。成功した人間の傲慢さがチラホラ垣間見えるんです。ラスベガスの辺りのエッセイなんて「あっ、そう、すごいね」と愚痴でも言いたくなります。まあ、貧乏人・凡人のひがみではあります。
ただ、小説の方は大好きなんですよ。

★★★☆☆

コメント

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