吉川猛夫著『私は真珠湾のスパイだった』を読んだ感想

吉川 猛夫/著『私は真珠湾のスパイだった』を、図書館で借りました。
『私は真珠湾のスパイだった』は、第二次世界大戦の直前に極秘命令を受けてハワイに派遣された元海軍少尉の回顧録です。
吉川氏は1941年3月のハワイ赴任ですから、約九か月間情報収集活動をしたことになります。
その間、一人で真珠湾のアメリカ太平洋艦隊の情報集めに奔走しました。
ある時は日本料亭に入り浸り、ある時は日系人が運転するタクシーでドライブ。
日本料亭の二階の窓からは真珠湾が一望でき、タクシーでのドライブは軍基地の観察です。
ただ、攻撃の直前まで日本が真珠湾を攻撃するとは思っていなかったようでした。
日を追うごとに日本からの情報の要求項目は増え、そして詳細となり、真珠湾への攻撃もありうると思うようになります。
そして、真珠湾攻撃があり、捕虜収容所での暮らし、捕虜交換での日本への帰還となります。

真珠湾の攻撃は既成事実であり、そのために吉川氏が派遣されたのは間違いないと思われます。
ただ、疑問なのは吉川氏が書いている「素人の自分にスパイなどできるのか」ということ。
普通は陸軍でいう中野学校のような諜報を専門とする学校出身者を「スパイ」にすると思うんですが、どうして彼が選ばれたのか。
そのあたりは、かなり謎ではあります。

もっとハラハラ・ドキドキの緊迫感溢れる内容かと思いましたが、そんな感じではありませんでした。
吉川氏の文書がそう感じさせたのかもしれませんが、「スパイ」から連想させる息が詰まるほどの緊張感はここにはありません。
しかし、やっていることは軍事情報の収集活動。
この吉川氏の九か月間の情報収集活動がなければ、真珠湾攻撃があのように成功することはなかったであろうことは確かです。

★★★☆☆

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