私的評価
フィリップ・グレニスター主演、海外連続ドラマ『ウェールズ連続少女殺人事件~30年目の真実 』を観ました。Amazonプライムビデオでの視聴です。
全4話にまとめられており、物語が間延びすることなく、ちょうどよいテンポで楽しめました。
実際の事件を基にしたドラマとのことで、視聴後にWikipediaで調べたところ、ほぼ事実に沿っているように思われました。
過去の事件ということもあり、再捜査には多くの制約がありました。そのため犯行当時はなかったDNA鑑定頼りの捜査となり、犯人を追いつめて解決に至るという展開ではなく、スリルやドラマチックな要素に欠ける内容です。しかし、被害者家族や容疑者扱いされた人物の感情が丁寧に描かれており、そこに焦点を当てた作品だと感じました。
★★★☆☆
作品概要
監督はマーク・エヴァンス。脚本はエド・ホイットモア。
主演はフィリップ・グレニスター、共演者にはステファン・ロードリほか。
2023年5月にBBCで放送されました。1970年代、ウェールズで実際に起き、30年間未解決だった3人の少女連続殺人事件に基づいて制作されたドラマです。
作品の紹介・あらすじ
解説・あらすじ
1973年、ウェールズで少女3人が連続して殺害される事件が起こった。警察は犯人を見つけ出すべく大規模な捜査を行ったが、当時の捜査技術では犯人を特定できず、未解決のまま月日が過ぎた。しかし、約30年後、テクノロジーの進歩を受けてDNA鑑定から事件の証拠が見つかり、当時捜査を担当していた刑事のポール・ベセルは再び難事件に挑むことになる。刑事達は、1970年代に殺害された被害者、そして被害者の家族に正義をもたらすべく捜査に全力を尽くす。
この事件は、犯人の家族のDNA鑑定を通じて未解決事件の謎が解き明かされた世界初のケースとなり、その後の捜査に多大な影響をもたらした。
監督・脚本は「ロンドン警視庁コリン・サットンの事件簿」と同じマーク・エヴァンスとエド・ホイットモアが務めている。また、本物のポール・ベセルはこのプロジェクトに密接に関わっており、撮影中は現場にもいたという。ガーディアン紙は脚本について、「警察の決して華やかではない、骨の折れる仕事と、仕事にも人生にも誠実さが必要であることを正当に描き切っている」と記した。
ミステリーチャンネル
感想・その他
このドラマのモデルになった事件は、「土曜の夜の絞殺魔」と言われるウェールズの連続殺人事件です。ジョセフ・ウィリアム・カッペン(1941年10月30日 - 1990年6月17日)は、別名「土曜の夜の絞殺魔」としても知られるウェールズの連続殺人犯で、1973年に故郷ポート・タルボット近郊のランダルシーとトンマウルで3人の十代の少女を強姦し殺害した。カッペンは1976年2月に4件目の殺人を犯した疑いもある。
カッペンの被害者と確認されているのは、それぞれブリトンフェリーとスウォンジーで土曜日の夜に車に誘い込んだ16歳の少女たちである。3人は田舎に連れて行かれ、その後強姦され、絞殺された。カッペンは犯罪で逮捕されることはなく、1990年に肺がんで死亡した。
カッペンは、死後に家族のDNA鑑定によって連続殺人犯と特定された最初の人物として有名である。彼はまた、ウェールズ史上初めて記録された連続殺人犯でもあった。
犯行時に目撃された自動車の持ち主として、この犯人も容疑者として事情聴取されました。しかし、妻のアリバイ証言により、捜査対象から外されてしまいます。当時のイギリスでは、身内の証言も有効とされていたようです。さらに、コンピューター管理もなく、DNA鑑定も存在しない時代の捜査は、非常に困難だったことでしょう。そのため、犯人を取り逃がしたり、冤罪を生んでしまったりする事件も多かったのではないでしょうか。
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