私的評価
宮内見著『トッケイは七度鳴く』をAmazonのPrime Readingで読みました。まったく内容を気にせずに、本の画像(本の帯)に書いてあった「ラスト20ページの衝撃!!!」を見て読むことにしました。まさか慰安婦と日本兵の恋愛ミステリー小説だとは思ってもいませんでした。
読みだしたら止められないほど引き込まれ、まさにラスト20ページは衝撃的でした。本のタイトル『トッケイは七度鳴く』にも納得の一冊でした。
★★★★☆
『トッケイは七度鳴く』とは
内容紹介
放送作家の誠太郎は、亡くなった祖父が戦時中のビルマで慰安婦の死に関与したと知る。真実を求めて奔走するが、見えざる力で歴史の闇に飲み込まれる…日韓問題の闇に迫る問題作!
著者紹介
宮内 見[ミヤウチ ミ]
本名:宮内基壮。1965年、神戸市長田区生まれ。同志社大学文学部卒。
放送作家の新野新(しんの・しん)に入門、見(み)と命名される。神戸のラジオ局・ラジオ関西で放送作家デビュー。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」「ワイドスクランブル」など、情報系からバラエティまで、東京・大阪で4000本以上のテレビ・ラジオ番組の構成を担当。
紀伊國屋書店
感想・その他
この本の題名にもなっている「トッケイ」はヤモリの一種で、私が読んでいる時に勝手に想像していた鳥ではありませんでした。しかし、ヤモリの一種と言ってもかなり大型(全長18-35㎝)です。トッケイの「ケイ」が「鶏」を、また「七度鳴く」からもニワトリを想像してしまい、それは本文中最後の方にも会話として出てきます。東南アジアの地域によっては、本種の鳴き声を7回連続で聞くと幸福が訪れるという言い伝えがあるようです。もう一人の主人公である日本兵「神戸のべっさん」が戦ったのが、ビルマ(現ミャンマー)での「ミイトキーナの戦い」です。兵力と物資に勝る連合国軍との約三か月に及ぶ戦闘後に、生き残りの兵による雨期による増水激しいイラワジ川を渡る撤退。それは熾烈を極めた戦いだったようです。日本兵は三か月もの間、タコツボ(一人だけ入れる大きさの塹壕の事)に入って戦ったそうですが、ドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』の第7話「雪原の死闘」のような状態を想像してしまい、背筋が凍りました。
リンク
0 件のコメント:
コメントを投稿